大阪タワーマンションデザインリノベーション

大阪にあるタワーマンションのリノベーション案件。夫婦に育ちざかりの子供二人という環境で、日々が忙しく淡々と過ぎていく中、居室の雰囲気を一掃したいという強い思いから弊社への依頼だった。それはデザインへの期待であり、それがもたらす影響に心躍らせてるように感じられた。弊社の作例が心に刺さり、今回ご連絡を頂く形となった。

リノベーションでモルタルや梁などオリジナルの元の構造を露出させる
タワーマンションの、懐のある天井、大きな梁や柱は、それだけで空間を圧迫し意匠的に解決する必要がある。そこに加えて子供がいる場合は、学校の書類・テキスト等が多く、それらを収める収納もまた要因の一つとなっている。ともかく既存の収納では納められるべくもなく、一か所にまとめて仕舞える巨大な収納が必要と考え、リノベーションで小さな既製品家具を減らし容量の大きい造作家具を導線の中心に据え解決させた

何もないスッキリとした空間。
リノベーションで天井を落とし20センチ程の高さを得るだけでも劇的に変化する。天井や梁の囲いを取り除き、柱には一枚で天井まである長物の楢木板を貼って垂直方向への意識を強調し高さに対する視覚的効果を図っている。その他、玄関からリビングダイニングに抜ける導線上にある扉も排除し、より奥行きを感じられるようにした。
空間と顔となった家族が集う巨大なソファは、アルフレックスの商品でセルジオブリオスキによるdesignのもの。ミドルクラスの淡い緑の張地を選択。淡いグリーンに塗られた壁やソファは、補色となる柱の楢木板と並ぶとより意味を持つ、このように空間に統一性持たせる為にアイテムの配置は関連付けられた。この緑の壁の向こうは大きなウォークインクローゼットで右と左にそれぞれ収納となっている。

このグリーン色はこの時計の為に塗られた、名作ジョージネルソン、サンバースト(陽光)クロック。そして補色の関係にある赤系のプロダクトを強調させる。
大きな収納にもなるウォークインクローゼットのリノベーション

壁の奥に設けられたウォークインクローゼット。有効で1550㎜もありそれなりにものを隠せる。ミラーに間接照明を仕込み手抜きのない空間に。
格子は銅を使用した現代的な仕上げで再構築

陽光を反射させ、室内に品のある輝きをもたらせる格子は、銅板を貼ったもので玄関からの視界を緩める役割も持つ。

銅板貼りの格子は誰も経験がなく、何度も試作、やり直しから生まれた。おそらくここにしかないオリジナルの作品だ。制作させて欲しいと提案をあっさり受け入れてくれたクライアントに感謝。

ホワイトの造作家具を楢の木板と合わせる。
使い勝手の良い強大な収納。楢集成材で作られた子供の引き出し付き勉強机が備わっている。この造作家具は奥行きを持たせており洗面側の廊下も収納とし、すべての小さな既製品置き家具は、これにとって代わられた。机の空間に塗られたカラーは今回のリノベプロジェクトで一番彩度が高いグリーンでアクセントとなっている。
床はBOLON、素足感覚に優れ耐久性もあり汚れに強い。弊社のほぼすべての案件で使われている素材でクライアントには必ず喜ばれる。フロア照明はS&C(サンタ&コール)真鍮に皮を巻いた仕様でリボンセードの色はマスタード。


キッチンから見る絵。リノベーションで生まれ変わった空間は、どこかミッドセンチュリーをも感じさせるモダンな佇まい。大胆な色遣いやマテリアルの違いが豊かで繊細な空間を生む。
リノベーションは照明で空間の質を高める。

全灯照明、ホテルライクな照明計画を意識。照明器具のルクス(照度)やケルビン(色温度)は当てるマテリアルによって変え、暑苦しくならないように計画している。

当初難しく感じた空間も丁寧に分解して一つ一つデザインして行くことで、欠点を利点に変えたり趣のあるリノベーションになる。
ブラケット照明やダウンライト、スポットライト等が既存のマンションで標準で装備されているところは少ない。リノベーションの際にはおすすめなオプションの一つだ。

梁と梁の間を利用した、ダイニング空間。色味や素材感が複雑にまじりあって面白い空間となった。キッチンの壁は一枚もののSOLIDOというエコな素材30Kもあり搬入に苦労した。

ダイニングのペンダント照明はルミナベッラ。
テーブルは楢無垢の天板。

ブラケット照明も同じくルミナべッラ。
ペンダントとお揃いに。
STUDIOM+オリジナルで作られた洗面リノベーション

既存の洗面も機能的で奇麗だったが、収納量と機能と共にデザインも大幅に更新。

造作で作られたオリジナルの洗面。このスペースの床もBOLONを使用。
照明は50φの小さなグレアレスのダウンライトを選択して高級感を演出している。
Comment On Facebook