大阪の賃貸アパートリノベーション
大阪の賃貸物件リノベーション。賃貸物件の案件は、投資効率も考えると予算も限られていて、その中で如何に人を惹きつけられる空間を作ることができるか、デザインが結果につながる。当初TOPライトは、ロフトにより完全に隠れていて、そのスペースはデットスペースになっていた。木造という特性を生かして、ロフトを削り、ロフトを支えていた柱を横架材に変え、1階の間仕切りの自由度を高めた。その結果リビングスペースの広さを確保でき、採光までも取り入れることができた。
色彩で変化をつける
収益不動産や店舗では、ターゲットに対する色彩感覚はとても重要だ。この案件では、若い学生をターゲットにより特異的な色彩を見せることにした。通常の住宅で見られるH2400程度の天井高では圧迫感の為に使いにくかった明度の高いホワイトを採用したが、十分な天井高、TOPの採光が圧迫感を緩衝し、より良いスケール感を確保することに成功している。 studio m+により設計施工された大阪の賃貸アパートリノベーション『小さな白い家』です。
この『小さな白い家』と名付けられた空間には、通常のマンションや戸建のH2400の天井高では圧迫感を感じる為に使いにくい、日塗工におけるN95、N93といった明度の高いホワイトが使われています。この物件の十分な天井高とTOPからの採光が、その採用を可能にした事例となりました。
解放的で美しい白い空間に、視認性を抑え彩度を固定して色相を変えたグレイッシュトーンの配色が、デザイン的に有効であることがわかるかと思います。(左に見えるBOX、階段の踏面)
そこに細い黒いラインを落とし込むことで、レイヤーとして空間に奥行を与え、デザインのポイントになるように考えました。
ストック増加に伴う収益不動産の懸念は空室率改善ですが、これまでの利回り重視の戦略では価格競争からの脱却は難しく、改善しないばかりか、さらなるコスト増となる状態に陥っているのが現状です。
studiom+では、これまでの経験から適切なセグメント別けに対して、デザインによる優位性を持ったアプローチが、単価を守り空室率を改善するために重要だと考えています。
カラーマネジメント
濃いめのグレーに調色された巾木。
階段の配色。トーン(明度と彩度の混ざり具合)の選択は、空間の方向性を決めるカラーマネジメントの重要な要素になる。彩度を固定することで統一感を損なわずに、センスのいい配色を心掛けた。
グレイイッシュトーンの色は、本や雑貨をこんな感じで演出してくれる。
オーナーの空間に対する要望に加え賃貸という特性に拘り、色彩という点に着目してみました。それは、ストック増加に伴う休眠不動産に新たな風を起こしたいという思いです。日本的な配色パターンを排除し、よりグローバルな視点からのチャレンジでしたが、上手くまとまった様に思います。長く住む家、ある期間だけを過ごす家、それぞれに、意味のある解決方法があるのではないかと思います。
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