中古マンションのリノベーションで古くて新しいシャビーな世界観を表現
価格(万円) | 内容 | |
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解体 | 50 | 床壁天井 |
造作 | 670 | 無垢フローリング 壁面ブリックタイル 床磁器タイル 格子建具 m+オリジナルTVカウンター・テーブル×3 m+オリジナルキッチン造作 下駄箱 ストックルーム |
電気 | 80 | 配線ダクト ダウンライト 間接照明 オール電化 ペンダント |
住設 | 480 | キッチン設備 UB(TV、室暖房乾燥機) 洗面 トイレ 給排水工事 床暖 エコキュート |
クロス | 80 | カーテン含む |
諸経費 | 40 | (駐車代 養生費 運搬搬入費等) |
施主の希望はどこか古めかしいがチープすぎるのも、、、ということでシャビーシックとモダンをテーマにデザインの構築をはじめる。ハードな部分とそうでないスッキリした部分を組み合わせて演出する。淡い繊細な色彩のバランスに注意して、難しい収まり使いフラットに、モダンで渋くシンプルに仕上げることを意識した。強調するところ、見せないところを造り、品よく。
モダンな中古マンションリノベーションの造作で作られた玄関
購入されたのは中古マンションの最上階。扉を開けると、重厚な大型の造作収納備えた玄関が目に入る。大工が現場で寸法を読みこの住宅の為に作られた家具は、既製品を置くよりコストと迫力で勝る。
床は室内の同じタイルのジェットバーナー仕上げで滑り止め加工されたものでラグジュアリーな空間を目指した。繊細なディティールとしてT=5ステンレスヘアラインの框と採光を緩やかに通す特別に着色されたガラスブロックがポイントになっている。
世界に一台、造作のオリジナルキッチン
室内に入れば、世界に一台しかないオープンキッチンがインテリアとして登場。キッチンのインパクトあるこの素材は、オークの木材をそのままスライスした自然見溢れるものを採用した。この規律と不規律とが作り出す空間は、単純なそれよりも飽きがこないものとして住民を楽しませる。
ワークトップ天板はsusバイブレーション仕上げ、ワークトップでsusを使用する場合、傷が目立ちにくいバイブレーション仕上げを採用する。
ラグジュアリな空間をローコストで見せる。これがリノベーションの醍醐味の一つだ。
マンションリノベーショーンでも可能、タイルの床はラグジュアリーな空間生む
タイル床とフラットな白壁は住人にスマートでラグジュアリーを感じさせる。まるで美術館のようだとクライアントは感じたようだ。リノベーションで床暖を設置して冬は蓄熱で温かく、夏はひんやりと冷たいタイルを活かした空間となった。画像にあるワイド1000と大開口で30K程ある木製扉との相性もいい。
アイアン取っ手のデティール、ブラウンのガラスブロック
ガラスブロックは中がブラウンに塗装してあり、ややくすんだ感じで普通にはない魅力があるものだ。シャビー調に、目地も墨モルを使用して統一感を持たせた。ガラスブロックの枠はスチールのフラットバーで制作し木製扉の枠が太くならないように工夫してある。ガラスブロックを収める前に木枠とスチールをビス止めして、工程にも拘ったものだ。ほかにもstudiom+オリジナルデザインの取っ手のデティールは何度も調整した。一番美しく見えるものを選び少しハードなテイストを加える
コットンやリネンのファブリックでモダンでシャビーな空気感
リネンのデザインファブリック、躯体や格子扉とブリックタイルや白壁でシャビーの空気感を。
スペイン産のブリックタイル。シャビーを表現するには欠かせない素材だ。リアルな表現を追求して、目地材であるブリックモルタルをタイル面いっぱいまで充填して本場の味を出すことした。壁際のウォールウォッシャー「グレアレス照明」までがワンセット。
カーテンは、重厚なポーランドリネンと光と風を効果的に取り込むのが特徴の、ふわふわのコットンガーゼ。
シャビィシックなアイテム。格子はミルスケールに変性シリコンの三角打ち、昔ながらの手法で表現。寝室の照明はフランス製のものでガラスにはみられないクリスタルの輝きを持つ。床はオークの無垢材、グレー系の染色でアンティーク風な仕上げに、素材が変わる部分にはSUS見切りで丁寧な仕事。
パソコンしたりマネキュアをしたりとご夫婦の書斎。格子から覗く照明はヴェルナーパントン。貝殻を内側から照らす。
洗面台コーラ製。照明はフランス製のアンティーク。取手は真鍮製でシャビーに。
既製品にないクラフト感がいい造作収納
キッチン収納はラワン材とタモ集成材で制作したもの、ラワン材はオスモオーク色、玄関収納と同じ仕様だ。
鋳物のかわいい取っ手
比較的、採光が十分にある物件のリノベーション。世界観の構築とシンプルなゾーニングに対する差別化に注意を払いました。各部屋の色や素材を異なるものにすることで新鮮な高揚感が持続するようになっています。マンションリノベーションではありがちな課題ですが、このプロジェクトでは従来の判りやすい手法でなく空間の連続性を大切にデザインしています。
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