大阪・刀根山の賃貸マンションリノベーション|白とステンレスで空室を埋める
大阪・豊中の刀根山、阪大にほど近い立地にある約30㎡の賃貸マンション。依頼主は、空室をどう埋めるかという課題を抱えたオーナーだった。一般的な賃貸リノベーションのように、無難な仕上げで原状回復するという選択肢もあった。しかしこのオーナーは、感度の高い方だった。「デザインで解決したい」という一点で、STUDIOM+を選んでいる。

白の中にステンレスを浮かべる — 低コストでチープに見せない設計
賃貸リノベーションには、必ずコストの上限がある。分譲住宅のように素材を自由に選べるわけではない。その制約の中で、いかにチープに見せないか。ここが設計の勝負どころだった。
選んだ答えは、空間を徹底して白で統一し、その中にステンレスだけを浮かべるという構成だ。白は、それ単体では安っぽくも高級にも転ぶ色である。だが、硬質なステンレスと対比させた瞬間、白は「余白」として機能しはじめる。レンジフードにも白を配色し、ステンレスだけが際立つよう色数を削ぎ落とした。素材の数を増やすのではなく、減らすことで質を上げるという判断である。

窓の緑を主役にする — 借景を活かした大胆な構成
この部屋には、窓から見える緑という財産があった。多くの賃貸リノベーションでは、この価値が見過ごされる。壁紙や設備といった「室内で完結する要素」ばかりに目が向くからだ。
この物件では逆の発想を取った。室内を白一色に抑えることで、窓の外の緑が室内に流れ込んでくる。季節が変われば、部屋の表情も変わる。内装で色を足すのではなく、外の景色を色として借りるという設計だ。約30㎡という決して広くない空間が、窓の向こうまで広がって感じられる。

扉を開いた瞬間に、運命を感じる空間へ
賃貸物件を探す人が、その部屋にいる時間はごくわずかだ。内見の数分で、住むかどうかが決まる。だからこそ、扉を開いた最初の一瞬に、全てを賭ける必要がある。
玄関から続く白い動線は、そのための装置である。均一に白く塗られた空間は、視線を奥へ奥へと導く。そして辿り着いた先に、ステンレスの輝きと窓の緑がある。この一連のシークエンスを、内見に訪れた人が数秒で体験する。「ここに住みたい」と直感させるための設計だ。
結果 — 相場より高い家賃で即入居
この物件は、周辺相場より高い家賃設定にもかかわらず、募集開始から短期間で入居が決まった。空室を埋めるために家賃を下げるのではなく、デザインによって物件そのものの価値を引き上げるという、オーナーの判断が正しかったことになる。
賃貸リノベーションは、コストの制約が厳しい分、設計者の力量がそのまま結果に出る領域だ。限られた予算の中で何を残し、何を削るか。その判断の積み重ねが、家賃という数字に跳ね返ってくる。STUDIOM+では、大阪・北摂・神戸エリアで、こうした収益性を伴う賃貸リノベーションも手がけている。



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