神戸のマンションリノベーション
場所は兵庫県東灘にある閑静な住宅街の中にある超高級マンション、古いが環境はとてもよく緩やかな時の流れを感じる190㎡もある大型の住宅だ。クライアントはご夫婦とお子様一人という家族構成で、これからもう一人というタイミングで大阪市内から越して来られた。
某大手リノベーション会社で見積もりをされていたが、高額で既製品に彩られたプランに魅力を感じられずにクリエティブなデザインをネットで探した結果、弊社との出会いに繋がったそうだ。クライアントの興味深い生い立ちや環境に触れ、打合せを重ねていくうち 出会いが必然的なものであったことを感じていくことになる。彼はこれまでもこれからの生活にも退屈なものを望まなかったのだ。
リノベーションで実現させる玄関のデティール
玄関を開けると120×240の太い地松で造られた格子が迎える。190㎡と大きいマンションの為と帰宅時には人の気配を感じるものがいいという要望からだ。玄関を開けると「お帰り!」から始まる家の顔となる。
天井は掘り込み、床は底目地というデティール。ひと手間加えて奥行を持たせた。地松の杢目とステンレスのバイブレーションこのマテリアルと仕上げの組み合わせが、住まい手に期待感を感じさせる。無垢とステンレスの組み合わせはSTUDIOM+でよく使われるモダンデザインで、クールになりすぎず、かといって重たくなる感じもなく王道といえるものだ。京都で良く見る細い格子で繊細なデザインもいいが、太い格子だと木の木目を楽しむ事ができる。その場合、檜や杉より地松や栗などの方が繊細な木目を見せるのでおすすめだ。そこに繊細なデティールや異素材を組み込むと脳裏に焼き付く空間となりうる。
25本の地松の格子、床はオーク無垢NOLDO
地松の格子が25本並ぶ姿はそれなりの迫力があり、それでいてリビングと緩やかに空間を仕切る。窮屈で閉塞的だった廊下は奥行と採光を得て住まい手に変化を感じさせた。正面は大きな収納、左に本棚を制作。床はADワールドのオークフローリングNOLDO、高品質で関西だとカッシーナ大阪店で見ることが出来る。節がなくとても奇麗なのだ。
リノベーション客用お手洗いのデティール
左奥には客用トイレ、枠無しの白い淡泊な扉を開けるとまるで子供部屋のようなライムグリーンに迎えられる。内部のシックなモルタル、木板の意匠とで来客者に小さなサプライズがクライアントの要望だ。手前のガラス棚収納は細かいミリ単位の収まりで小口に黒のフレームを回のに苦労した。5.5㎜のベニヤの小口に9角のスチール無垢。それをクロスを3㎜のチリをつけて収めてある。そこが引き戸の戸当たりとなる仕掛けだ。この客用お手洗いとニッチのガラス棚BOXはこの案件で一番手が込んでいる箇所だ。色彩と素材、デティールが組み合わさったリノベーションならではのデザインで、デザイナーの熱量を感じてほしい。
モルタル塗りの洗面
洗面はモルタル壁にシナベニア+サンディング2回+ウレタン塗装という仕上げで、硬質と軟質といった単純な変化を強調させたデザインだ。素朴な仕上げにヤコブセンの壁式混合水栓VOLAでワンポイントのアクセントとして合わせている。
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