馬鹿でかいキッチンとテーブル、あとは好きに — 八尾の70㎡に4.8mの造作キッチンを置く
大阪・八尾市の70㎡マンションリノベーション。飲食店を経営するご主人と、ゲームが共通の趣味という家族3人の住まい。要望は「馬鹿でかいキッチンと馬鹿でかいテーブルがあればいい、あとは好きにしてくれ」の2つだけでした。100角スチールを骨組みにしたW4800の造作キッチン、平田タイルRECIPEのサーモンピンク、モールテックス2回塗りの棚で構成した事例です。

施主の要望は2つだけ
八尾の70平米のマンションリノベーション。夫婦と子供1人の住まいだ。車はアバルトで、所持品はすべてこだわりのある物ばかり。ブランドというより、質が良くシンプルでナチュラルなものを好んでいる印象だった。
要望は少ない。「馬鹿でかいキッチンと馬鹿でかいテーブルがあればそれでいい。あとは好きにしてくれ」とのことだった。ご主人は飲食店を経営しており、大きな作業台が欲しかった。そして家族の共通の趣味はゲーム。大きなテーブルに家族それぞれがPCを並べ、食事とゲームを兼ねた大テーブルが憩いの場になる。要望が少ない分、この2つの意味は重かった。
BOLONの廊下とRのコーナー

玄関を入ると一段上がった、BOLONを貼った廊下が迎える。下地のコンクリートが50mmあり、斫れないため、この段差を活かしたアプローチとしてデザインした。BOLONは意匠性と素足感覚に優れることから採用。洗面に続く既存の枠と廊下のコーナーをRにすることで、空間にちょっとした変化を生んでいる。
薄ピンクの梁、グリーンの収納ベッド

梁は薄いピンク、収納ベッドはグリーン、タイルはサーモンピンク。平田タイルの色に合わせて、空間全体でグラデーションを表現した。普通ではない空間の色彩に、家族もこれからの生活に心が躍ると言う。収納ベッドは床が開閉式で、季節ものを放り込める仕様。その壁に黒の家具を配置した。洗面は大きな間接照明付きのミラー。

今回の施工範囲を見渡す。ピンクに塗られた梁型、グレーのベースカラーに、サーモンピンクやグリーンといった有彩色をアクセントにした。
W4800、100角スチールの造作キッチン

W4800の現場造作キッチン。100角のスチールを骨組みとした頑丈なもので、表面を削ったモールテックスで仕上げた。シンプルながら存在感のあるオブジェとして捉えた。シンクはトヨウラのステップシンク、水栓はスント。

サーモンピンクのタイルにグレーのキッチン、そこに黒のアイテムを合わせる。シンプルでクールな空間を目指した。
平田タイルRECIPE、窓の光を見ながら3種を配置する

平田タイルのRECIPE(レシピ)から、b・bp・bwの3種を使用。テクスチャの異なるタイルを、窓から差し込む光を現場で確認しながら、陰影を感覚的に配置していく手法をとった。図面では決められない、現場でしか生まれない並びになっている。
モールテックス2回塗りの棚と、寸5杉の脚

棚はオープンで、天板の仕上げはモールテックスの2回塗り。天板にテープライトを仕込み、下から照らすウォールライトと間接照明の役割を担う。

寸5の杉の角材、ラワン合板、モールテックスの揺らぎ。クラフト感が生活を豊かに演出する。

コンロはご主人希望のグリルなしのステンレスのもの。シンクはトヨウラのステップシンク、水栓はスント。

棚を支える脚は寸5の杉の角材。天板から5mmほど出ており、角材がアクセントになるよう出幅を調整した。

脚のディテール。天板から高さ方向と幅方向に5mm突き出たデザイン。連結箇所は3方向に5mmの隙間を設けた納まりとした。

モールテックスのテクスチャーの様子。職人の鏝の動きがそのまま模様になる。コーナーや角は手数を少なめにして、主張を減らした。
「自分の想像を超えた空間に住む幸せ」

サーモンピンク、グレー、クローム、シルバー、ブラックの色々な素材たち。そこに木材を少し合わせてバランスをとった。
完成時、施主からは「頼んでよかった。自分の想像を超えた空間に住む幸せを感じることができた」という言葉をもらった。要望は2つだけだったが、その2つに込められた家族の暮らし方を汲み取ることが、この案件の設計だった。
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